2006年にウェブマーケティングの業界に入ってから10年間SEOのコンサルティングをしていますが、正直にいって施策が大成功してクライアントが大きく儲かった！という事例よりも火の吹くような失敗のほうが残念ながら多いです。

このブログでは他社の成功事例をメインに分析してきましたが、今回は私自身の生の失敗事例を紹介したいと思います。是非同じ失敗をしないように頂きたいです。

それでは参りましょう。

目次
・クライアントの企業価値が一瞬で吹き飛んでしまいそうになったコンテンツ施策←今回の記事はコレ
・ロケットスタートに成功した新規事業売上が一晩で100分の1以下になった日
・月500万の投資を実施して掲載順位はアップ！それなのになぜ検索流入は落ちていくのか？
・なぜ書きたくない失敗事例を公開したのか？

｜ある施策によって検索流入は激減

急成長しているサービスのSEOコンサルティングをしたときの話です。

背景としては業界特化のポータルを運営しており、全国の事業者を検索できるコンテンツがトラフィックの大半を占めていました。

オリジナルのコンテンツを掲載すれば検索流入は増えますが、各事業者毎の詳細ページは数万ページありそれら一つ一つページに対してライティングしていくのは現実的ではありません。

どうすれば低コストにコンテンツを増やせるのかが当時の課題でした。

議論していた際にクライアントから出てきたアイデアとして

「Googleニュースで各事業者を検索したコンテンツを、詳細ページに掲載させるのはどうか？」

という案がありました。今思い返すと本当にどうかしていたのですが

「良いですね。やってみましょう！」

と即レスしたのを覚えています。

実施して間もなく

・1ページ目付近に掲載されていたビッグワードが500位まで低下
・site:ドメインでトップページが30位前後に後退
・検索流入が半減

と目も当てられない状況になりました。

今考えるとこの施策には大きな問題が2つありました。

－そもそもコピーである
Googleニュースは別媒体からの転載情報を集めた媒体なので、それをコピーすることはコピーのコピーです。品質が高いわけがありません。

100歩譲ってもiframeなどを使って検索エンジンに読み込ませない工夫が必要でした。

－Googleニュースではニッチな社名でコンテンツが返ってこなかった
Googleニュース内でニッチな社名を検索しても検索結果がゼロのケースが数多くありました。

その際はアバウトな検索ワードのコンテンツを掲載する仕組みにしたので、余計に情報が被ることになりました。

|不幸中の幸いは構造化改善の余地が大きかった。

クライアントのビジネスモデルは広告だったので、流入が落ちたことで売上はもちろん減少します。またその他の問題にも色々と影響がありなんとしても状況を改善する必要がありました。

当時クライアントから来た切実なメールを見て「なんとかせねば。。」と思った記憶があります。

不幸中の幸いにも、このサイトはエリアの構造化に改善余地がかなりありました。以前からそれを指摘していましたが具体的な改善案にはしていなかったので実施には至っていませんでいたが、そうはいってられないので週末に具体的な改善案を作り検討してもらえるように話しました。

すぐに実施してもらえることになり、実装後1ヶ月弱で検索流入は回復しその後は元々あった流入を大きく上回るようになりました。

成果が元に戻っただけでなく以前よりも良くなったため、これをネタにした社内勉強会を共催したり定期的に他のクライアントを紹介してもらうなど以前よりも強い信頼関係を築くことができました。

あとクライアント自身のビジネスもこの施策がきっかけに大きく成長していきました。

｜このケースから何が学べるのか？

この事件があってからというもの、コピーコンテンツを使った施策は相当慎重になっています。

あと情報の構造化は低品質コンテンツの判定をリカバリするだけでなく、それ以上のリターンをもたらす潜在力があることもわかりました。

このブログではしつこいほどユーザの関心に合わせて情報を整理している事例を紹介していますが、今回紹介した失敗体験が大きく影響を与えていると思います。

では他の失敗事例は次回以降のエントリーで紹介していくつもりです。

お楽しみにお待ち下さい！