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2016.07.27 


SEOの舵取りミスによって年商数億円の新規事業が一瞬でゼロになった日

 

kajitori無題

新規事業のロケットスタートに成功したものの、検索流入の激減で大ブレーキがかかってしまったことがあります。

この出来事をきっかけに私のコンサルティング観も大きく変わりました。

目次としては

・SEO上の白地マーケット
・一瞬でトラフィックが10分の1以下に
・学びはビジネスモデルと施策の理解

このような内容で進めます。それでは参りましょう。

 

|SEOニーズが強いにもかかわらず競合がいない有力マーケット

引越し会社の新規事業サービスのSEOのコンサルティングをしたときの話です。

この会社はウェブサイト経由で反響を増やし、現場の営業担当がクロージングすることで売上を伸ばしていた会社でした。

そのためリスティング広告中心のネット広告でその事業は回ってたんですが、広告費用が月に数千万かかっており、これをなんとか削減したいという課題がありました。

SEO集客で反響数を担保できれば広告費は削減できると考え、リスティングでビジネス貢献が高いキーワード毎に自然検索結果を競合分析したところほとんどの会社はドアウェイページで集客をしていることがわかりました。
※ドアウェイページとはほぼ同一コンテンツで、特定の単語だけ個別化させているページのことです。

ドアウェイページ

引用:http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2012/01/doorway-page.html

この状況であれば各ページ毎にオリジナルコンテンツを用意して各ページを構造化させれば集客は上手くいきます。

またウェブサイトをSEO集客用と広告用にドメイン、電話番号、メールアドレスを別々に運用しすることでSEOにおける費用対効果を簡単に判断できる計測環境も整備しました。

リリースして間もなく検索順位はアップし、それに伴い検索流入はじわじわと増えていきます。

ほとんどのプロジェクトがそうですが、当初想定していた仮説がきっちりとはまることは多くありません。

不自然なぐらいうまくいっているなと思っていましたが、その予感は当たることになります。

 

|一瞬でトラフィックが激減

ある日クライアントから連絡がありました。

お世話になっております。
◯◯の◯◯です。
検索結果大幅ダウンです。
至急対策をお願いします。

Googleアナリティクスを見ると検索流入数は激減しており、明らかに何かが起こっていることがわかりました。

検索トラフィックが急落

そもそもサイトの構造が関東のエリアで30個ほどのコンテンツがあり、それぞれのコンテンツに対して300文字前後の事例が複数紐づく形になっていました。

一度の掲載で数百の事例が増えるんですが、掲載を数回実施してURLが1000を超えたタイミングで問題は発生しており、この仕組みが問題なのではと考えました。

そのため1事例1URLではなく5事例1URLに仕様を変更したうえでひとまず事例を全て削除し、掲載のタイミングを一括ではなく1週間に数十URLと頻度を落とす運用に変更しました。

しかし1ヶ月経過したものの流入の増加傾向は元のスピード戻る気配は見えません。

このままだとこのプロジェクトはうまくいかないという状況になり、残された選択肢はドメインを変えることのみになりました。

ただしドメインを変えたとしてもコンテンツは全く変わりません。

コンテンツは変わらないのに、掲載の仕組みを変えただけでうまくいくのか?

強い疑問がありましたが、結論からいうと数ヶ月で流入は復旧し、その後高い成長曲線を描くようになります。

ドメイン変更実施

結果的にはこのサイトのみの反響で数億の年商が立ち上がることになりました。

 

|問題は検索エンジン理解と事業理解が浅かったこと

アメリカに1万人もの自前ライターによって記事を大量生成して上場したDemand Mediaという会社があります。ビジネスモデルはユーザが検索するキーワード毎にコンテンツを大量に用意し広告費を得るというものです。例えばこのようなコンテンツを用意していました。

  • 記事1本1本の中身を見る限りは、確かにテキスト量は少ないものの、そこまで酷い内容だとも思えない。
    しかし、気になるのはロングテール対策の徹底ぶり。

    「プレイステーション3でHuluを見る」という趣旨の記事だけで、次のようなタイトルで6件の記事がヒットしている。
    How to Watch Hulu on PlayStation 3
    How to Watch Hulu With a PS3
    How to Watch “Hulu” on a PS3 Slim
    How to Fix a PS3 to Watch Hulu
    How to Use Hulu on the PS3
    How to Stream Hulu to PS3
    ざっと上記6件の記事を読む限り、あからさまなコピー&ペーストで書かれたものではなく、それぞれの文章表現こそ違うが、書かれている内容はおおよそ同じものだ。
    http://markezine.jp/article/detail/14011?p=2

この会社はここ数年の検索エンジンアルゴリズムのアップデートの影響によって2012年を約450億あった売上が200億まで急下降しています。

またビジネスモデル自体も広告だけではなくオンライン動画のマーケットプレイスに移行しているようです。

demandmedia業績推移

http://position-strategy.ffab0.com/us/companies/DMD

この事例を見てもわかるように少量のコンテンツを大量に用意することで検索流入を集めるのは今後も困難になるでしょう。少量のコンテンツを1URL:1コンテンツで用意したのは検索エンジン理解のミスでした。

それよりも今回のプロジェクトで一番の疑問だったのは、30ページほどのコンテンツのサイトに対して数百のコンテンツをなぜ一度に掲載する判断をとったのかです。

考えてわかったのは私自身の認識としてマッチングビジネスモデルのような大規模なサービスサイトのマーケティングとウェブで反響をとって店舗でクロージングするような事業会社のサイトのそれを同列に考えていたのが原因だったのではと思うようになりました。

マッチングビジネスモデルは集客力をテコに商品を作るため集客がなければをしなければ事業が成り立ちません。そのため情報量が構造的に多くなります。

一方で事業会社は集客手段はSEOやオンライン、紙でも良いわけです。

この違いは良くも悪くもコンテンツの積み上がり方に大きく影響を与えることになります。

実際このプロジェクトの構想段階では、より多くのエリアに対応するコンテンツを用意していくことを想定していましたが、この検索流入の問題が解決された後にその施策に着手してもそもそもそこまで事例を細分化できないという問題に直面することになります。

コンテンツが積み上がらないような事業モデルのウェブサイトをマッチングビジネスモデルのそれと同じように考えると様々なことでうまくいきません。

私はこのプロジェクトに携わる前は思考や勝ちパターンがコンテンツ量が指数関数的に伸びるようなサイトの事例に傾倒していましたが、これをきっかけにビジネスモデルによって戦略や施策が大きく変わることを意識するようになりました。

このブログではまず各サービスのビジネスモデルを定義したうえでウェブマーケティングを分析していますが、ビジネスモデルや事業内容によってウェブマーケティングのあり方は変わるという今回の発見が強く影響しています。

それでは次回が最後の失敗事例です。

お楽しみにお待ち下さい!

集客改善、コンバージョン率改善などお気軽にお問い合わせください。

お電話でのご相談窓口はこちら 03-5428-3177

この記事の著者

黒須敏行

コンサルタント

女性向けポータルサービスのPVを30万から150万へ改善、リサイクル会社の新規事業の年商を新たに2億創出、賃貸オフィス仲介会社の反響数3倍改善などの実績があります。検索流入数とコンバージョン率の改善が得意です。

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