こんにちは、黒須敏行です。ザッポスの特徴である返品無料のビジネスモデルは日本でも持ち込まれているのはご存知でしょうか？

ジェイドという会社がロコンドという靴のECサイトを運営していますが、日本で成功するのかどうかはリピーターを増やして集客コストをいかに抑えられるかどうかだと思います。

ロコンドは積極的なTVCMによる新規のリスト獲得を行なっていたので、ネットからの獲得は優先度が低いかもしれません。ただSEO対策はリブセンスを見てもわかるように成功できれば非常に費用対効果のよい集客手法になります。

ロコンドのソースを見てもSEO対策を意識しているとは思えないので、ロコンドのウェブマーケティング担当者にはこのブログを読んでもらって自然検索を積み上げてもらいたいと切に願う次第です。

ザッポス研究レポートはひとまず最後です。今回のテーマはザッポスのリンク構造について解説をします。

リンク構造とはなんぞや？と思う方もいらっしゃるかと思います。リンク構造を最適化させるメインの目的は2つしかありません。一つは下層ページにクローラーが行き渡りやすくなるためにクリック階層を短縮化することと、下層ページにリンクを集めるためにサイト内の様々なページからアンカーテキストを割り振ることです。

前者のベストはトップページから全ての下層ページに1クリックで遷移できる状況ですが、ユーザビリティの観点から現実的には中間ページを設ける必要があります。後者に関しては関連ページへのリンクなどを設けることで担保することができます。

理想のクリック階層

ザッポスのような数百万の商品を扱っているサイトは、末端のページに辿り着くまでにどうしても何クリックもしないといけない遷移になってしまうことが非常に多いです。ただザッポスは様々な工夫を施すことで、前述のクリック階層の短縮化を成功させています。

・ユーザーレビューを使った対策

商品レビュー

商品を購入したユーザーのレビューを見てもらうとわかるんですが、特定のフレーズはリンクになっています。ブーツやスカートといったキーワードに対してのリンクであり、リンクの飛び先も商品カテゴリのページです。ブーツなどのワードでザッポスのランキングは非常に評価が高いですが、サイト内からリンクを集めることで様々なワードの集客を成功させています。事前にワードとURLが指定されており、ユーザーが特定のワードを使うとリンクされる仕組みになっているのでしょう。ユーザーがレビューを書けば書くほどリンクが特定ページに集まる構造です。

・カスタマーテスティモニアル

お客様の声をまとめたページ

カスタマーテスティモニアルとは顧客の声ページです。先程のユーザーレビューと同じような対策がとられており、商品のレビューではなく、ザッポスに届けられているユーザーメッセージが淡々と紹介されているコンテンツです。同様の対策がとられており、特定ワードが入る文章はリンクされるようになっています。このカスタマーテスティモニアルのコンテンツは1万ページほどインデックスされています。

・商品対決ページ

商品の見せ方はランダム

別のブログで紹介されていたのでご存知の方も多いと思いますが、気に入った商品に対して投票をするというコンテンツです。投票をするとページが切り替わる仕様になっており1ヶ月毎に対決ページがアーカイブされていってます。見てもらえるとわかるのですが、商品自体の関連性はあまりなくランダムに生成されるようになっています。これらのコンテンツの価値は、こういったページがあることで商品の詳細ページへのクリック階層が短縮されることです。

その結果ザッポスは競合他社のECサイトと比べて下層にもっともリンクが集まるサイト構造になっています。

一方こちらはamazonの下層ページのリンク数の比較です。

競合他社と比べて、別のサイトからもらうリンクの数が非常に多いです。ブログ上で答えは公開はしませんが気になる方はお問い合わせください。

今回のレポートをまとめます

・リンク構造の最適化の目的はクリック階層の短縮化、下層ページ同士のリンクの２つ

・上記を達成するため、ザッポスの商品対決ページのようなクリック遷移改善対策が必要

ザッポスの研究はひとまず最後ですが、また掘り下げたものをレポートするかもしれません。

次回の更新予定日は7月の1日頃を予定しています。