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2013.05.21 


CtoC(個人間取引)ビジネスが大企業の売上を奪う時代に成長するBUYMA(バイマ)というサービス BUYMA(バイマ)ビジネスモデル&SEO対策研究

 

こんにちは、黒須敏行です。

今回の記事の目的は「個人間取引ネットサービスBUYMA(バイマ)のビジネスモデルと成功要因を理解すること」です。

森博嗣さんが最近『「やりがいのある仕事」という幻想』という著作を出版しましたが、本ではこんなことが書かれていました。

ネットの普及によって、人間の社会は大きく変わろうとしている。~中略~まず、従来型のマスコミが最もダメージを受けるだろう。それはもう誰の目にも明らかで、新聞社はテレビ局は大きく傾くはずだ。~中略~ようするに「メディア」と呼ばれているものの大半がリセットされる、ということだと思う。

さらに、ネットで個人どうしが直接結びつくようになったことから、仕事はメジャからマイナにシフトする。大勢を一度に相手して、商品を大量生産して儲けるという方法は既に過去のものだ。少数の細かい需要を拾い集める、という商売の形になる。

商売は、平均的にはマイナへ向かう。~中略~今までの酒屋はいろいろな酒を揃えていないと商売にならなかったが、これからはある特殊な酒だけ売った方が良く、ほかの店にはないオリジナルなものに特化する。そのかわり世界中を相手にして、その特別なものを売るようになる。~中略~しかし、このマイナなものをまとめるプラットホームは必要だ。~中略~ただ、プラットホームは沢山は必要ない。極端な話、一つあれば十分だともいえる。

これからは、店は一つあれば良い。そこで何でもすべて買えるのが理想だ。それがネット販売の常識になる。つまり、この店がすることは、手続きをすること、取引の信頼を保障することだけだ。

「広告」という商売も、もうこれからは縮小されるはずだ。テレビや新聞の宣伝効果はみるみる下がっている。その宣伝をたまたま見た人も、「見た」というだけで、「買おう」とは思わない。

そしてこういった流れを加速させるサービスが登場し始めています。BUYMAという個人間でブランド品を売買できるサービスがあり、運営元のエニグモは2012年マザーズで上場しました。

これまで日本の消費者が海外の輸入ブランドを購入するためには日本にある代理店や、輸入業者から買うという方法しかありませんでした。BUYMAでは個人間で直接商品を売買することができるために更に安くブランド品を手に入れることができます。

このサービスを作ったのは博報堂出身の須田将啓さんと田中禎人さんの二人です。彼らは森博嗣さんがこれから縮小していく産業の一つだと指摘している広告産業にいた人達です。

既存のビジネスモデルを破壊するのはしがらみの無い人間であることが多いです。リブセンス、クックパッドの起業家は元々学生ですし、価格コムに至ってはメモリの営業マンです。これまでの事例を見てもインターネットのプラットホームビジネスを広告や新聞テレビなどの業界にいた方が成功させたというのは数が少ないのが現状です。

そういった意味で、このBUYMAというサービスが成功した要因を抑えておくことは、現在縮小に直面しなんとか状況を打破したいと考えているメディア業界の人達にとって有益な情報になると考えています。

・BUYMAのビジネスモデル
・BUYMAの成功要因
・BUYMAのSEO対策をwajaと比較

このあたりをひとつずつ見ていきます。それでは参りましょう!

 

■BUYMAのビジネスモデル

BUYMAのサービスを一言で表すと「誰もがバイヤーになれることで、もっと安くブランド品が買えるようになる」というものです。

BUYMAでは海外に住んでいる日本人が、現地で販売しているブランド品や日本未上陸の商品を出品販売することができます。また日本にいるユーザから注文があって初めて商品の買い付けと発送をするため、出品者にとって在庫リスクを抱え込む必要がありません。

2005年からスタートしており、現在は登録数4400ブランド、年間240万品以上のアイテムが出品されていて、会員数は119万人です。年々会員数と注文取り扱い高を伸ばしています。

buyma会員数と決済金額

ビジネスモデルとしては注文取引成立時にバイヤーと購入者それぞれから5.25%の手数料がBUYMAに入ります。元エニグモ代表の田中さんのブログにBUYMAのビジネスモデル着想の過程が書かれています。

1. MBA留学時代、日本で需要のありそうな商品がまわりにたくさんあり、自分含め世界中にいる日本人がそれを「価値化」できていないのが勿体無いと感じていた。
2. 卒業後、日本に戻ったMBAの同級生がまだLAにいる友人に買物を頼んでいるのを知ってやはりそこにビジネスチャンスがあると再確認した。
3. 世界中にいる日本人をネット上でネットワークし、誰でも気軽に買付けを頼めるウェブサイトがあれば、新しい物流が作れると思った。http://www.enigmo.co.jp/blog/tanaka/2012/11/buyma_5.html

BUYMAのアイデアは生活における「不」を解消するために立ち上がったものです。

 

■BUYMAの成功要因

ブランド品が安く買えるというメリットもあり、年々ユーザを増やしていったBUYMAですが今後も成長するであろう要因がいくつかあります。

 

☆価格競争力

BUYMAで買った商品は消費税がかかりません。そのため既存の小売店よりも更に安く購入できる点が消費者の支持を得ています。消費税は事業者が行う売買に課税されるもので、BUYMAのようなサービスを通し行われる個人売買には課せられないものだからです。

副業として行う場合も、年間の売上が1000万円を超えていなければ申告が免除されます。こういった状況も利用者と出品者の利用を後押ししています。消費税のような直接税が増えていく流れなので今後も利用者は増えていくでしょう。

 

☆オペレーション力

インタビューではBUYMAが成長した要因をオペレーションのノウハウだと語っています。

こうしたビジネスモデルをうまく育ててきたオペレーションのノウハウです。仕組みだけ作ってもなかなか難しいので、バイヤーに売れる商品はどのようなものであるかという助言をして出品を煽ってみたり、初心者にもよく物を売るにはどうしたら良いかという手伝いを行っていることが挙げられます。そういったきめ細やかなオペレーションと、ビジネスモデルの組み合わせこそ、弊社最大の強みだと思っています。http://kigyoka.com/public/article/article.jsp?id=2792

BUYMAのようなサービスは利用者が増えることはもちろん、バイヤーとして稼げる出品者が増え品揃えという商品力を強化する必要があります。

伸びているプラットホームビジネスは出品者へのサポートを行なっていることが特徴です。楽天は楽天大学という出品者の売上支援目的の講座を実施することで楽天への営業だけでなくEC事業者の育成も行なっていますがyahooショッピングはありません。

ただし収益化に時間がかかったということを田中さんはいっています。

色々な機能を追加したり、プロモーションを行ったりしてもほとんど効果は見れず、そのままだと利益を出す前に会社をたたむことになる可能性も出てきた。~中略~BUYMAは時間をかけて育てることにし、その間に収益を上げられる事業を立ち上げることが急務になり、自分がその役割を担い、達成できなければ代表を下りる決意で取り組んだ。~中略~そして生まれたのが「プレスブログ」だった。(当時はプレブロという名称)~中略~その後数年、エニグモという会社はこの「広告事業部」がBUYMAを含めた会社全体を支える構造になった。http://www.enigmo.co.jp/blog/tanaka/2011/05/post_324.html

有価証券報告書を見てもBUYMAという事業は以前はエニグモの売上の屋台骨ではなかったことが確認できます。

buyma事業別売上

これまで紹介してきたように価格コム、リブセンス、クックパッドなど今は大成功したプラットホームビジネスは共通して初期の収益化に苦労しています。

初年度の売上は30万円だった。価格コム誕生秘話

初めはサイトに人が集まらなかったリブセンス。ターニングポイントはある一つのマーケティング施策

サーバ代が払えなかったクックパッドが上場した要因

メインのプラットホームビジネスがすぐに収益化するのが理想ですが、エニグモのプレブロのようにプラットホームビジネスが育つまでのつなぎの事業という発想は参考になるでしょう。

 

☆マーケティング

集客はSEO、リスティングを地道にやっていったということを語っています。

強みというのは、バイヤーが何でも出せること。CtoCだからこそ、品ぞろえがどこよりも豊富になり、旬なモノが並ぶ。そのため、我々が間に入らないで回るようにオペレーションを組んだり、できるだけバイヤーから現地の商品やブランド情報を集めてやっていこうとしました。そしてリスティング広告やSEO対策に注力しました。ブランドの商品ページ数が増加し、検索エンジンで上位表示される仕組み作りにも力を入れました。http://toyokeizai.net/articles/-/12739?page=3

有価証券報告書やインタビューにも様々な集客施策の一つとしてSEO対策を挙げています。

buymaのマーケティング

こういったウェブベースのプラットホームビジネスではSEO対策は無くてはならないものです。次はそのBUYMAのSEO対策を具体的に見てみましょう。

 

■BUYMAのSEO対策をwajaと比較

wajaというBUYMAと似たビジネスモデルを展開するサービスとBUYMAのSEO対策を比較してみましょう。SEO対策で大事なポイントは

・キーワード
・コーディング
・リンク

の3つですが、最も大事な要素がキーワードです。BUYMAのような個人間取引サービスでは

・ブランド名
・商品カテゴリ
・商品詳細

これら3カテゴリのキーワードが重要になります。比較してみるとBUYMAはかなり強いことがわかります。

buymawajaランキング比較

BUYMAの施策で見るべきポイントは

・URL
・コーディング
・リンク構造

の3つです。ひとつず見ていきます。

 

☆BUYMAのURL

wajaと比較するとBUYMAは各ワードに対応するページのURLパラメータを全て最適化しています。

URL評価

長いパラメータはインデックス化の妨げになるものなので、SEO対策の観点で見るとメリットがありません。ベストは
・パラメータがつかず
・短く
・意味があるもの
というURLですがBUYMAのURLは全てを満たしてます。

 

☆BUYMAのコーディング

ブランドのトップページを比較しましょう。こういったページで重要な施策はhタグなどの見出しタグの配下にテキストを設置することです。これは楽天レシピやカーセンサーなどが行なっている施策です。

buymaとwajaのテキスト施策比較

BUYMAも漏れずにブランドを解説するテキストを用意しています。同じ商品を展開することが多く、ユニーク化に課題があるECサイト全てが参考にすべき施策です。一方wajaもテキストを記載していますが他サイトのコピペになっています。

buymaのテキストの重複チェック

検索エンジンは他のサイトには無い情報を評価するため、施策としての筋が良いのはBUYMAです。

 

☆BUYMAのリンク構造

BUYMAはブランドページの対策が非常に強いのが特徴です。比較してみるとわかります。

ブランド名ランキング比較

注目すべきポイントはリンク構造です。

 

メインページのボディ下部に各ブランドページへのリンクを用意することで各ブランドページヘサイト内のリンクが多く集まっています。内部リンク数を比較してみましょう。

buyma内部リンク数比較

こういった大規模なサイトは中間ページのリンクが集まりにくいのが特徴ですが、こういった施策を実施することでそういった問題を解決することができます。

BUYMAはここで紹介した施策だけでなく、他にも様々な工夫が凝らされています。ECサイトを運営するマーケティング担当者にとって参考にすべき点が多いのがBUYMAです。

 

■BUYMA研究のまとめ

プラットホームビジネス立ち上げの難点は釈迦に説法ですが信用獲得にとにかく時間がかかることです。収益化までは最適な打ち手をとったうえで耐え忍ぶしかありません。

airbnbというサービスがブレイクしたきっかけは、ウェブからモバイルへのデバイスの変化のタイミングで競合のcraigslistの潜在的なモバイルユーザを取り込んだことです。エニグモも数年前にシェアモというモバイルの個人間取引サービスをリリースしましたが撤退してしまいました。今ならスマートフォンを使ってヤフオクのPCユーザを同じように取り込めるかもしれません。

こういったことはタイミングが重要なんですが、あとにならないと施策のタイミングが最適かどうかがわからないのが難しいところです。結局成功させるためには過去の成功要因を学び手数を増やしてくのが最適である、という身も蓋も無い結論になります。そのためにもBUYMAの様々な施策や発想は過去の成功事例として抑えておくべきものです。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

 

※この記事は公開されている情報をもとに作成しています。

参考書籍
出典 森博嗣 『「やりがいのある仕事」という幻想』(朝日新書,2013年)

集客改善、コンバージョン率改善などお気軽にお問い合わせください。

お電話でのご相談窓口はこちら 03-5428-3177

この記事の著者

黒須敏行

コンサルタント

女性向けポータルサービスのPVを30万から150万へ改善、リサイクル会社の新規事業の年商を新たに2億創出、賃貸オフィス仲介会社の反響数3倍改善などの実績があります。検索流入数とコンバージョン率の改善が得意です。

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