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2013.07.16 黒須敏行
SEOとユーザビリティ改善を両立させるために必要なこと ランサーズとクラウドワークスのユーザビリティを比較
今回の記事の目的は
『SEOとユーザビリティを両立させるために抑えるポイントを理解する』
ことです。
この記事を読むことで、集客アップとコンバージョンアップの改善をできるようになってもらうことが狙いです。正しい集客施策を実施してもらい売上を増やして欲しいと思っています。
進め方としては
・title,descriptionの付け方で大事なこと
・一覧ページでSEOとユーザビリティを両立させるために必要な考え方
・成果を出すためには大切なのは不安を解消するという考え方
という流れで進めたいと思います。
では早速参りましょう!
■何はともあれユーザを定義
ユーザビリティを評価比較するため、まずはクラウドソーシングサービスを利用するユーザを発注者と受注者それぞれをいくつかの区分に整理します。
この区分の目的はサービスを使うユーザ像を仮説ベースで定義することなので、網羅的である必要もないですし要素が被っていても問題ありません。仮説があれば間違っていても修正ができるためです。
今回は簡単な作業を安く外注したいアル夫さんというユーザの満足度が担保されているのはどちらかという観点で比較をしましょう。また最適なユーザビリティはユーザによって異なるため今回のテストで全ての判断はできません。
あくまでもアル夫さんのユーザビリティ評価です。そしてアル夫さんにはこういった行動フローがみられました。
それぞれ解説していきましょう。
■titleとdescriptionの付け方で大事な3つのポイント
問題ですがこのアル夫さんはどちらをクリックしたでしょうか?
正解はクラウドワークスです。
アル夫さんのユーザ行動から発見できたユーザニーズは『安くて多くの案件から自分にあったものを選びたい』というものです。
このユーザニーズに応えている文言はクラウドワークスです。ランサーズの『実績が9000社』というのは多いか少ないかがイメージできないというコメントがありました。またdescriptionの2万円で62社と70社を比較したうえでクラウドワークスをクリックしています。
titleやdescriptionを記載するときに大事なポイントは
・自社の強みが生きるものにする
・ユーザは検索結果を比較するという視点を持つ
・ユーザニーズがあることを訴求する
という考え方です。これは『リスティング広告 プロの思考回路』という本で紹介されているリスティング広告文作成にあたって持つべき考え方です。
またtitleやdescriptionのSEO対策で気をつけるべきことは『ターゲットとなるキーワードを先頭に記載すること』です。
このチェックポイントに照らし合わせるとクラウドワークスの記載はランサーズのものよりも良いことがわかります。何よりユーザテストを見ても同じ結果になりました。
■SEO目的の大量のテキストってユーザビリティに影響するの?しないの?
以前リブセンスのSEO対策を解説した際に、下部に大量のテキストの記載を実施するという方法を紹介しました。
大手サイトのSEO対策用のコンテンツのまとめ
こういった施策を行なっているのはリブセンスだけではありません。クラウドワークスもSEOを意図して施策を行なっています。
このランディングページの下部をみてください。
そしてこういった方法を紹介すると必ずといっていいほど、ユーザビリティが悪くなるのではないか?という質問をもらいます。
たしかに大量のテキストがあることで見づらいものになるというのはイメージができますが、果たしてそれはビジネスの成果に直結するレベルの話でしょうか?
今回テストしてわかったのは、SEO目的の大量のテキストはコンバージョンに全く影響しないという行動が観察されました。
このページを見たユーザ行動から発見できたユーザ心理は失敗したくないという不安と自分にあった事例を見て信頼をするというものです。
そのため
・いくらで何件の案件を確認できるか
・自分にあった実績があるかどうか
というところにポイントを絞って情報を見ていました。
このユーザ心理に応えられているかサービスはクラウドワークスです。
また先ほど紹介したようにクラウドワークスのほうがSEO対策用のテキストを多く記載させています。
こういったマークアップのテクニックは本質的ではないからどうでもいい、SEOはコンテンツが重要なんだという議論がよくあります。わからなくはないですが、そういった言説はビジネスモデルの競合という視点がぽっかり抜けてるなと感じます。
同じビジネスモデルであれば持っている情報量は似通ってくるのは仕方がありません。そういったケースの時に最終的に差がつくのがテクニックです。
■そもそもコンバージョンは何によって構成されるのか?
コンバージョンは何よって構成されているのか?という話をvisual website optimizerという海外の有名多変量検証ツールが運営するブログが
「Optimize Your Marketing Efforts with a Killer Value Proposition」というエントリーで紹介しています。
これは
・提案に対してのユーザ動機
・提案の明確性
・行動障壁を下げる動機付け
から
・コンバージョンまでの導線不良
・ユーザ不安
を差し引いた価値の総量がコンバージョンになるという考え方です。
コンバージョンを改善するための改善は
・機能の表面的改善
・ユーザとの不安解消を目的としたコミュニケーションを改善
の2つしかないという話をしましたがそれと同じ話です。
100人中99人が間違っているUI・UX改善
では解消すべき不安や不満の要素を比較しましょう。
■ランサーズとクラウドワークスのどちらが使っていて不安?
コンペを設計する際に見られた行動から導き出されるユーザ心理は「もし良い提案が無い場合はお金ってどうするの?」という真っ当なものです。
またアウトプットイメージが無いため知ってるロゴがあると参考にしやすいというコメントも見られました。ただしこれは表面的な機能の話です。
両サービス共返金はできませんが、クラウドワークスは改良要請ができます。この点はサービスの提供価値の話になるため表面的な機能と重みが異なってきます。
今回のテストでユーザが最も不安を感じてたシーンが決済画面でした。
よくある質問は多くの事業者にとって改善の伸びしろが非常にあるポイントであり、この両サービスも例にももれず改善したほうが良いです。最も良い方法はユーザが不安に思った際に質問と回答を用意してあげることです。
ユーザが不安を感じた際には、不安を解消するための情報を用意してあげることでコンバージョンパフォーマンスは改善できます。方法としてはだいたいこの3つに分類できることが多いです。
・そもそもない場合は用意する(例 よくある質問を用意してあげる)
・伝わらない場合は伝え方を変える(例 実績を規模毎に整理する)
・訴求を強くする(情報はあるけど伝わっていないケース)
今回のケースは情報を用意してあげることが改善方法としては適切です。
よくある質問というものは、自分が思っている疑問や不安が入っているかどうかは事前に判断できないからです。
そしてどのシーンでどんな不安や疑問が生まれているのかはユーザテストをもとにユーザテストをすることで簡単に発見することが可能です。
■ランサーズとクラウドワークスのユーザビリティ比較のまとめ
ユーザビリティについてはクラウドワークスが強いです。
ただしこれはベンチャー発注者側の視点に立ったものであり、単価も数万円のロゴ制作です。大企業や単価の高い案件を依頼する際のユーザの心理は今回の定義とは異なるものになるでしょう。
そもそも一部の大企業のシステム担当者にはまだフリーランスに仕事を頼む際に、保険証の番号の提出を義務付けているところもあります。ビジネスする際の心理的なハードルがまだまだ高いという現実もあるため、そういった発注者に利用してもらうためにはオフラインの営業も必要になると思います。
そしてSEOについてはランサーズはランキングのパフォーマンスは高いですが、魅力的な訴求になっていないことがわかりました。
SEOの目的は集客数を増やして売上を増やすものなので、ランキングが上がってもクリックされなかったら意味がありません。titleやdescriptionやサイト内のテキストがユーザの不安を解消するものになっていることが少ないのは、自分で使っているうちに見慣れてしまいそれがユーザに訴求できてるかどうかがわからなくなってしまっているからだと思います。
岡目八目という言葉にあるように、第3者の視点は馬鹿にできません。こういった問題はユーザテストを実施することでいとも簡単に解決できることが多いです。
そんなわけで何はともあれ一度テストをやってみることをオススメします。
ユーザビリティテストを一度自分でやってコンバージョンを改善!
それではまたこの場所でお会いしましょう!
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