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2013.04.05 アルコ編集部

ユーザビリティの課題をいつまでも放って置かないために気を付けること:はじめてのユーザビリティテスト最終回

こんにちは!アルコの増森友香です。

ユーザビリティテストの理論編は、今回で最終回!前回に引き続き、ユーザテスト終了後のディスカッションでの課題のまとめ方についてお話したいと思います。

前回では、ディスカッションにおける概要と、課題とその改善施策に関する考え方について説明しました。今回はディスカッションの具体的な流れについてご説明したいと思います。

 

■ディスカッションに臨む前に

ディスカッションに臨む前に、下記の内容が前提にあることを参加者全員で共有しましょう。

 

・全てのサイトはユーザビリティの課題を持ち合わせているということ

・全ての組織にはこの課題の修正にかけられるリソースに限度があること

・ここで決定した修正内容だけでなく、通常業務でも修正作業は別に発生するということ

・たいした問題ではない内容は修正もしやすい。深刻な課題ほど残り続ける傾向にあること

 

なぜ、これを事前に前提として共有するのかというと、『まずはもっとも深刻な課題に着目し、先に修正する必要がある』という意識を全員が持つことが重要だからです。

もしこの意識を持たずにいたら、ユーザビリティの課題はいつまでたっても改善されません。前回にもご説明したとおり、課題決定については、

・多くの人々がこの課題を体験することになるだろうか?

・この課題に直面した人々は不便だなと感じるだろうか?

という観点で、多くの人々に多くのストレスを与えると想定される内容を課題として認識することを忘れてはいけません。

 

■ディスカッションの流れ

実際のディスカッションは、下記のような順番で進めていきましょう。

 

1:このディスカッションはどのような意味があるか説明しましょう。

各自がテストを観察し、課題とおもわれる点をピックアップしています。その中で1番課題だと思われるものを決定する必要があります。そして、どの課題を来月のテストまでに修正するかをまとめることこのディスカッションで行われる内容です。

2:各人がテストを観察して課題と感じた項目をレビューも合わせて発表してもらいます。

3:あがってきた課題は全部まとめて記録しておきます。

4:あがったリストを見て、まずは10のもっとも課題と思われる項目をピックアップします。

これは、投票制で決めてしまって良いかと思います。まずは、各課題にランキングをつけて整理してみましょう。

5:ここから何を次のテストまでに修正していくかをリソースの問題も考えながら話合いで決定します。

 

ランキングが明らかになったら、基本的には1から順に解決していけたら理想的です。しかし、リソースの問題もありますので、その点も含めてより重要な課題から改善することをお勧めします。以上がディスカッションの段取りです。

ディスカッションのポイントは、だらだらやらないことです。ディスカッションはいたってシンプルです。各人から『テストの観察結果からなぜそれが課題と言えるのか』を説明してもらって、『テストで起きた課題と思われる事象がより深刻で、多くの人にも影響するかどうか』を考えれば良いのです。

またこの後、リスト化して整理された10の課題を、きちんと計画通りに修正を行いましょう。修正をを見送ったりしてはいけません。

すぐにできる小さな修正は本当に多くのユーザの問題解決に貢献するのかを考えてください。

 

■ディスカッションのまとめ方

ディスカッションのあとの共有の仕方は手短にメールで済ますことをお勧めします。記載する内容は下記の3点で十分です。

・今回は何をテストしたのか。
・参加者が実施したタスク
・来月のテストまでに修正すると決めた内容

これをすることで、今回の議事録とまた次回のテストでどういった点に着目してテストを観察するべきかわかります。

 

以上が、ユーザテスト実施における準備からまとめまでです。ユーザビリティテストは難しく大変そうに見えるかもしれませんが、シンプルでだれでも実施できます。テストの内容自体は何も複雑なことはありませんし、特別な専門知識がなくても進行役として問題なく行えるようになると思います。

 

ユーザテストを実施することで、ユーザのニーズ・先入観を把握し、それぞれ異なるニーズのユーザに対して満足度の高いサイトへ改善していくことが出来ます。アクセス解析でも、もちろんサイト改善は行えますが、解釈の力が必要になり、本質的なサイト改善につながらないケースも多いです。

理想は、アクセス解析と同じくらい定期的にユーザテストを実施し、定量的・定性的な2つ軸からサイト状況を把握していくことをお勧めします。以上でユーザビリティテスト理論編は終了です。

今後もユーザビリティ改善に関するテーマで記事を更新していこうと思っています!新企画もお楽しみに~!

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この記事の著者

アルコはインターネットマーケティングのコンサルティング会社です。このブログではインターネットを活用した企業の経営改善に関するノウハウををお届けします。

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