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2012.12.27 

クックパッドの究極のユーザビリティを楽天レシピと徹底比較 クックパッド研究最終回クックパッドユーザビリティ研究

 

こんにちは、黒須敏行です。

クックパッド研究最終回です。今回はクックパッドと楽天レシピのユーザビリティを比較することでコンバージョンアップのための改善方法を理解してもらうというのが目的です。

前回紹介したSEO対策は流入数をアップさせる施策ですが、ユーザビリティ改善はコンバージョンアップさせるのに必要な施策です。(広い意味でいえば、検索した際にアクセスしやすいという状況を作るというのもユーザビリティ改善に含まれるので一概にそうとは限りませんが)

これを読んでいる事業者の方にはSEOもリスティングも広告も全部やった。。もうやることねえよ。。と悩んでいるかたもいらっしゃると思います。

この記事を読んでもらうことで、継続的にコンバージョンをアップさせるためにはどういった考え方が必要なのかを持ち帰ってもらいたいと考えています。

章立てとしては
・100人中99人が間違っているユーザビリティに対しての考え方
・ ユーザビリティテストを行うノウハウ公開
・クックパッドと楽天レシピのユーザビリティ比較結果
の3本立てで進めたいと思います。

それでは早速参りましょう!

■ユーザビリティは特定ユーザから見た特定サービスの使い勝手 

まずはじめにクックパッドのユーザビリティがなぜ優れているのかを一言で説明しましょう。それは

クックパッドの「ユーザビリティの本質を理解し、愚直にユーザビリティ改善を実践している企業姿勢」が答えです。

以前HOME’Sユーザビリティ研究でも話しましたが、ユーザビリティあるあるといっていい間違った言説は最適なユーザビリティはある決められたフォーマットがあるという考えです。

『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』という本でクックパッド代表の佐野さんがこんなことを話しています。

「ユーザーは1000人いたら1000通りの動きをします。その1000人を満足させるのは並大抵のことではない。でも、それに挑みたいんです。なんとかして少しでも満足度を高めたい。なぜなら、そうすることで、料理が楽しくなるはずだから。」

この発言は本質を理解し、実践しようとしているクックパッドの企業姿勢が表れています。

私も以前まで勘違いをしていたのですが、ユーザビリティ改善というと
・フォームの使いやすさを改善する
・問い合わせの導線を改善する
・ボタンやバナーの色を変えてテストをする
などの施策全般を意味していると考え、提案を行い成果を出してきました。

こういったことも結果的にはユーザビリティ改善に含まれますが問題としては見た目やテクニックによる改善がメインのため、打ち手を出し尽くしてしまい、これ以上の成果改善が望めないということがよくありました。

反対にコンバージョンの継続改善に成功している事例を見ると、クックパッドのように「特定のユーザにとって、もっと快適に使いやすくするにはどうすればよいか」という考え方をもって改善を行っており、コンバージョン改善ができるかどうかの差がそもそもの考え方にあると感じています。

まず根っこの考え方から改めることが重要です。

■ユーザビリティテストをどうやってやるのか?

ユーザビリティ改善の方法はシンプルで簡単です。

①ターゲットと思われるユーザにサイトを使ってもらう
②思っていることを話してもらいながらサービスを使ってもらう
③なぜそういった行動をとったかを質問する

このプロセスで何が問題かというのはだいたいわかります。

今回はまず始めにレシピポータルを使うユーザを区分してみましょう。方法としてはサービスを使っている人にヒアリングをして仮説を出すという形が良いです。何人かにヒアリングをしたところレシピサービスを使うユーザは大雑把にこういった分類になることがわかりました。

この区分の目的はサービスを使うユーザ像を仮説ベースで定義することなので網羅的である必要もないですし、要素や属性が被っていても問題ありません。仮説があれば、仮に仮説が間違っていてもユーザビリティテストの過程で気付き、修正することが出来ます。

今回はクックパッドと楽天レシピを比較するため、上記の「楽をしたいアル子さん」のユーザ心理に沿ったコンテンツや機能が備わっているかを調査しました。本来は検証結果まで提示できるのがベストですが今回は手前までの比較になっています。

ここで大事なポイントは

思ってもらっていることや考えていることを話してもらう

という方法をとることです。ユーザビリティテストはアイトラッキングと呼ばれるユーザの視線を可視化する調査手法が一般的に有名で知られています。視線の動きを客観的に捉えることは一定意味のあるデータですが、それだけでは本当に意味のある改善施策に繋げることは困難です。

重要なのは、ユーザがサイトを使う中で、どんな心理か、なぜその心理になるのかをしっかりと把握することです。一人一人の文脈に即した心理状態を把握できれば、サイトの課題・機会が明確になり、より適切な改善に繋げることができます。

そのためにも「なぜそう思ったのか?」「なぜそういった行動をとったのか?」ということを質問し、具体的に回答をもらうようにしましょう。何よりもこの方法は手早く簡単に誰でもできるところがポイントです。

■クックパッドと楽天レシピのユーザビリティ比較

ヒアリングした結果をもとに、ユーザがレシピを探す際にどういった行動をとるのかというシナリオを考えてみました。

このシナリオを達成するための課題が何なのかを明確にするため両サイト毎にテストしてみました。比較方法はユーザの心理を定義し、その心理に対して機能やコンテンツが目的を達成できるかどうかを比較しています。

①認知・流入フェーズ

☆前提となるユーザの心理

テストをして見られた行動は、まずYahooで食材名を入力した際に関連検索に表示される「鶏胸肉 レシピ」というワードをクリックしトップに表示されるものをクリックするというものでした。ここから導き出されるユーザ心理は「検索して一番上にあるものを探したい」になります。

 

このユーザ心理に対してのユーザビリティが達成できるかどうかを検証した結果を比較しましょう。

☆ユーザビリティ評価比較

前回のSEO研究でも紹介した通りクックパッドのSEOは半端ないので、ほとんどのワードでトップに表示されます。またYahooでは画像で表示されるためユーザはクックパッドのレシピを多く見るという結果が観察できました。

このようにユーザニーズの定義⇒ユーザビリティの評価という流れが、ユーザビリティ評価の基本です。

②情報収集フェーズ

☆前提となるユーザの心理

情報収集におけるユーザ行動でみられたのは、画像を見ながらレシピを探すということです。またどちらのサイトも人気のあるレシピをまず始めにクリックしていました。楽天レシピでは「鶏胸肉 塩麹」という関連レシピ検索の機能をユーザが使っており、他の食材と一緒に調理できるレシピを探していました。

ここから導き出されるユーザニーズはレシピを決定する上で写真をもとに決めるということと、人気のあるレシピを探したい、そして他の食材も片付けてしまいたいという動機が挙げられます。

☆ユーザビリティ評価比較

ここでは両サイトともに、ユーザ心理に対して十分な機能をしていました。楽天レシピは他の食材も片付けたいというニーズにより応えています。

③レシピ選定フェーズ

☆前提となるユーザの心理

ここで見られたのは、料理の工程毎時間の記載有無と工程毎の写真の有無を確認する行動です。根本にあるのは手早く簡単に作りたい、そして自分が作れるのかを判断したいというユーザニーズです。他の人が作った写真を両サイトとも確認できますが、それらの写真をチェックする様子も観察できました。

☆ユーザビリティ評価比較

上記のユーザニーズをもとにした評価ではクックパッドに軍配があがります。工程毎の時間はもちろん写真が充実しているクックパッドはストレスなくレシピを探していました。

一方楽天レシピは、トップの写真以外や基本の調理方法はあるものの工程毎の時間、工程毎の写真が無いものが多く探しているうちにモチベーションを失って離脱する様子を観察することができました。

■まとめ

行動フェーズ毎のユーザ心理をもとにした評価比較をまとめるとこのような形になりました。

冒頭でも紹介しましたが、ユーザビリティは1000人のユーザがいれば1000通りの最適解があるという世界です。そのため今回定義したユーザ心理とは異なるもので評価をした場合は、総合評価がひっくり返ることもあります。

また今回はレシピを使うユーザに対してのテストを実施しましたが、フォームの改善や問い合わせの導線設計といった表面的なユーザ・インターフェース改善であれば知人や社内の方でも問題ありません。

ただし今回のようにユーザとのシナリオ・コミュニケーション検証が目的の場合はターゲットのユーザを被験者にするのがベストです。

具体的な方法については今回ユーザビリティテストを自分たちで簡単にできるというコンセプトで冊子を作ったのでそちらを見てもらうことをオススメします。詳しくは下のバナーを御覧ください。

資料はもちろん無料です。お気軽にお問い合わせ下さい。
※配布は1月8日以降になります

これでクックパッド研究はひとまずおしまいです。
2013年もまたこの場所でお会いしましょう!

今年一年間応援ありがとうございましたm(_ _)m

集客改善、コンバージョン率改善などお気軽にお問い合わせください。

お電話でのご相談窓口はこちら 03-5428-3177

この記事の著者

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コンサルタント

女性向けポータルサービスのPVを30万から150万へ改善、リサイクル会社の新規事業の年商を新たに2億創出、賃貸オフィス仲介会社の反響数3倍改善などの実績があります。検索流入数とコンバージョン率の改善が得意です。

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